映画『THE FIRST SLAM DUNK』のオープニングシークエンスは、同作のコンセプトをわかりやすく表している。 サラサラと鉛筆の線で白い画面に宮城リョータが描かれる。その絵柄は原作漫画のそれだ。その絵がそのまま歩き出すのに続いて、残りの湘北メンバーが描かれ同じように歩き出す。そして、色がつくと走り出し、試合が始まる。 つまりこの映画は、漫画の絵をそのまま動かすのだとオープニングで宣言しているのだ。 ※本稿は映画のネタバレを含みます 試合がひとたび始まれば、これが漫画のキャラクターだったことを忘れてしまい、まるで本物のバスケットボールの試合を観戦しているかのような感覚に包まれる。無名の湘北高校が絶対王者、山王工業高校を相手にジャイアントキリングをした歴史的瞬間に立ち会ったかのような感動を味あわせてくれるのだ。 そして、ラストカットで再び漫画の静止画に戻った時、「そうだ、これは元々漫画