現在のモーニング娘。にとって、フォーメーションダンスは単に外面的な武器であるだけでなく、10人のメンバーが息を合わせ、ステージ上で気持ちを一つにするためのジェネレーターとして機能している。これは控えめにいっても有効なアイディアだと思う。各メンバーの表現の個性的な部分やスキルが見えにくい一面はあるが、それらを打ち出していくのはまずパフォーマンスの基盤を整えてからの話になるのだろう。そういう意味でも、今回のツアーはメンバーの意識や実力を向上させる役割を果たしたといえる。 EDMをとりいれた最近の楽曲にはアグレッシヴな印象があり、メロディーも歌詞もアレンジも振付も、聴覚や視覚に対して刺激的である。私は今でも「One・Two・Three」や「ワクテカ Take a chance」が流れると胸が熱くなるし、「愛の軍団」を聴くたびに異才の仕事だと感じる。おそらくこの路線で作品を作ることはまだまだ可能な