ここ数年「ITアーキテクト」という言葉が広がり,関連する雑誌や書籍,イベントなども増えてきた。ところが肝心の現場を見ると「ITアーキテクト」という肩書きを持つエンジニアはほとんどいないように思う。実際,ユーザー企業やベンダ-各社にITアーキテクトへの取材を申し込んでも「そうしたエンジニアはうちにはいない」と断られることが少なくない。 なぜ,言葉だけが先行してITアーキテクトが現場にいないのか。「そもそも必要ない」という意見もあるかもしれない。だが,あるユーザー企業の情報システム部長は「全体最適の視点で技術や製品を選定できるITアーキテクトがいてくれたら」と嘆く。情報システムは大規模化・複雑化し,より重要な経営基盤になっている。そんな中でベンダー1社にすべてのシステムを見てもらうのは困難になってきた。そこで,社内にITアーキテクトを置いて「自分たちの手で適切なシステム構造や実装方針を決定した
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