江戸時代後期のジンボトル。オランダ製で、ボトルにはオランダの会社名「I.T.BEUKERS SCHIEDAM」の文字が刻印されている(長崎市歴史民俗資料館 所蔵) マティーニ、ジンバック、ジントニック、ジンライム……。日本ではカクテルのベースとして使われることの多いジン。この酒、実は薬として誕生したことをご存じであろうか。 もともとジンはオランダ生まれ。ライデン大学医学部のフランシスクス・シルビウス教授によって1660年に製造されたとされる。当初は、医師によってつくられたことからも分かるように、マラリアやチフスといった熱病の治療薬として期待されていた。ジンの製造に用いられる杜松(ねず)の実は、利尿や解熱作用があると知られており、これを用いることで利尿・解熱薬として薬局で売り出されたのである。ところが、そのさわやかな香りから、薬としてではなく酒としてオランダ国内で流行。フランス語で杜松の実を
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