いわゆる「PC遠隔操作事件」の成り行きに驚かざるをえない。 これまで無罪を主張していた片山祐輔被告が、起訴された4事件すべてを自身の犯行と認めた。主任弁護人も今後の公判では無罪主張は撤回する方針という。東京地裁は本日保釈を取り消す決定を出し、同被告人は東京拘置所に再び勾留されることとなった。 真摯な弁護活動をしていた弁護人の気持ちが、痛いほどよく分かる。こんなに劇的な事例ではないにせよ、私にも何度か似たような経験がある。「これまで俺を欺していたのか」「裏切られたのか」という思いは払拭しえないだろう。しかし、その点にはプロとしての対応が求められている。 通常、弁護人が被告人の無罪主張に疑問を呈するごとき言動をしてはならない。被告人の立ち場で、被告人の主張に寄り添わねばならない。弁護人として、無罪判決を勝ち取るべく弁護活動をしなければならない。そうでなくては、被告人との信頼関係の形成はない。し