タグ

2013年7月1日のブックマーク (2件)

  • 田中貢太郎 あかんぼの首

    赤インキの滲んだやうな暑い陽の光があつた。陽の光は谷の下の人家の塀越しに見える若葉を照らしてゐた。若葉の中には塩竈桜か何かであらう、散り残りの白いあざれたやうな花弁があつて、それが青味だつて吹いて来る風に胡蝶のやうにちらちらと散つた。花弁は崖の上の蕗の葉の上にも落ちた。 電車の乗換場の土雨はぬる湯で拭いた顔や襟にまだ滲んでゐるやうな気がした。電車の交叉点の一方は赤煉瓦塀の高い工場になつてゐた。塀に沿うて街路樹の鈴懸の若葉があつた。若葉の枝は狂人のやうに風のために踊つてゐた。黄色に見える土雨はその四辺に佗しい色彩を施してゐた。京子は正午前に行つて来た病院の往きかへりの路のことを浮べてゐた。 京子は重い頭を左枕にして寝てゐた。薄青い電燈の光が掻巻にくるまつた彼女の姿をげんなりと照してゐた。床の中は生暖かで、ほこりのある体をぢつと一所に置いてゐると、その個所が熱ざして来るやうな気持になつた。彼は

  • 世界5つの奇妙な解剖学博物館

    人体構造に関しては、どんなにグロいっつったって、自分の持ち物だったりするわけなので、惹きつけられたり、後ずさりしたくなるもで、見たいんだけど見たくない、でもちょっと見たい的なアレで、それをテーマとした博物館が成り立っていくわけなのですね。ってことで世界6つの奇妙な解剖学博物館が紹介されてました。なぜか目黒のあいつが入っていやがりました。まだいったことないんだ。いかなくちゃ。 1.オランダ Vrolik解剖標博物館 世界最大のミュータントのコレクションで知られており、これらのコレクションは19世紀前半にGerardus Vrolik教授とその息子Willem Vrolik教授によって、集められたものだそうです。 2.ドイツ グンター・フォン・ハーゲンス博物館 Plastinarium ご存じドイツの解剖学者グンター・フォン・ハーゲンス氏が手掛けた人体の博物館。 人体展で有名なドイツの解剖学

    世界5つの奇妙な解剖学博物館