熊本市の文化財保護委員会(小堀富夫委員長、12人)は23日、熊本城の整備や運営に関し文化庁が指摘した問題点について協議した。委員からは現状への批判が相次ぎ、市文化振興課は委員会後、「熊本城の整備計画を遅らせることも検討する」と表明した。 熊本市は、天守閣の西にある戦後再建された平左衛門丸塀の調査や石垣の修理を行っている。 この復元に対し、文化庁は2月、歴史学や考古学の知識を持つ専門家の組織を作ることなどを文書で要請。城全体の石垣の崩落箇所を詳しく調べ、石垣整備計画を立てることも求めた。また、熊本城全体の活用の状況については「史跡の理解や保護に負の影響を与えかねないものがある」と指摘した。 文化庁はさらに、同庁に出向いた市の担当者に対し、「熊本城の調査研究が不十分」「市の城の運営は客寄せに見えかねない」などと厳しく指摘したという。塀の調査や石垣修理は文化庁のこうした指摘を受け中断した。 23