日々新しい音楽を聴く、聴く、聴く。ざっくり聴いて、細部も聴く。コピーして、自分でも演奏に挑戦してみる。 ときに立ち止まり、息が切れる。 ふと振り返る音楽がある。 いくつもはないけれど、確かにある。 そういうもののひとつが奥田民生の音楽であり、曲でいえばたとえば『さすらい』。 この曲のイントロがバーンと鳴ると私はうれしくなる。 びびっと脳波の麻薬がくる。 エアーで鳴らなくてもいい。脳内にいつでも再生できる。 この曲のアタマのコードはEメージャーなのだけど、Eメージャーの響きを思い出したいときにまず思い出して参照するのが『さすらい』なくらいだ。 (ちなみにGメージャーの響きを思い出したいときはウルフルズ『バンザイ〜好きでよかった〜』など、私の「絶対音思い出しキーソング」は種々ある。) 旅、放浪、自由、奇遇、孤独、気まぐれ、空想。3分ちょっとほどの収録時間に「さすらい」の観念のハイライトがつまっ