まえがき 乗数形の儚さ 夢の中で良いアイディアを思いついた。作詞のネタだった。でも、忘れてしまった。朝、覚醒しつつあるときに思いついたネタだったのだと思う。でも、まどろみながら、もう一度寝てしまった。 二度寝から目が醒めたとき覚えていたのは、思いついたアイディアの外側、つまりそんなようなものが存在したなという余韻だけだった。 夢というのは儚い。忘れるのも儚い。夢で出会ったものを忘れてしまうというのは、儚さが入れ子になってしまったみたいだ。まるで乗数形である。 曲について 作詞・作曲:大瀧詠一。1976年、吉田美奈子のアルバム『FLAPPER』に収録されました。1977年にはシリア・ポールの歌ったシングルが発売。その後も多くのミュージシャンによるカバーが生まれます。 The Ronettes『Be My Baby』を思い出します。イントロのドラムスとクラップのパターン。 細かく絡むフルートオ
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