福島第一原発の事故のあと、自国の原発を縮小し、再生可能エネルギーなどにシフトする国が相次いでいる。その代表とも言えるドイツでは、2014年に再エネで総電力消費の約27%をまかなった。これはガスや石炭など他の燃料を上回って、再エネが初めて最大の電力源になったことも示している。ところが当の原発事故を起こした日本では「ドイツの脱原発政策は失敗した」かのような情報が氾濫している。 よく言われる批判に「ドイツは原発を減らしているが、フランスから原発の電気を輸入している」というものがある。しかし実際にドイツの電力の輸出入を見てみると、輸入量より圧倒的に輸出量が多く(※)、他国の電力に頼る必要はまったくない。一方のフランスは、ドイツとの関係では純輸入国。むしろフランスの方が、ドイツの電気に頼る状態になっている。 ドイツがフランスから電力を輸入しているように見える背景には、フランスが発電した電気を、ドイツ