『ANGEL VOICE』第40巻 古谷野孝雄 秋田書店 \419+税 (2014年11月7日発売) サッカーの世界では、どのクラブにも「アンセム」と呼ばれる愛唱歌が存在する。 そのチームを讃え鼓舞する歌であり、試合開始前に選手が入場するときや試合終了後に、サポーターたちがクラブのタオルマフラーを高々と掲げ、声をそろえて歌い上げるものだ。 これはクラブ側が公式に用意したオリジナル・ソングではなく、サポーターが自分たちの意思でチョイスした曲であるため、有名曲をそのまま用いたり、替え歌にしたりして用いるケースが多い。 こういったアンセムは、もともとは「ヨソ様の歌」かもしれないが、チームが勝ったときも負けたときも、晴れの日も雨の日も、健やかなる日も病める日も、クラブがどん底のときも、サポーターたちは繰り返し歌い続ることによって「自分たちの歌」にしてきた。 たとえばヴィッセル神戸の「神戸讃歌」は、