「なかったこと」にしてはいけない 小田急線内での事件の報道の後、ずっとこの事件のことを考えている。物書きとして、私はこの事件について書くべきだ。でもどうしてもうまく書けない。 ショック、混乱、怒り、悲しみ、絶望……いろんな感情があふれて文章がまとまらない。でももう、まとまらなくていいやと思った。 うまく書けないけれど、私はこの事件について書く。なぜなら、絶対に忘れ去られてはいけないから。日々のさまざまなニュースに紛れて「なかったこと」にされてはいけないから。 被害者の女性は、一生忘れられない体と心の傷を抱えて生きていくのだろう。今後電車に乗れなくなったり、通学や出勤ができなくなる可能性もある。そうやって突然人生を壊されたのだ、ただ電車に乗っていただけなのに。 こんなひどい事件は許せない、二度と繰り返してはいけない。この文章を読んでいるあなたもきっとそう思っているだろう。 であれば、どうすれ
![「勝ち組っぽい女性を狙った」容疑者は、なぜ幸せそうな女性に憎悪を募らせたのか 背景に"女のくせに"という価値観](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/18eab7b81c5270883b9a793f4ec266d9bfd932fe/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2Fc%2F1200wm%2Fimg_8c4a128d94e2a36b0691253bab0043063630127.jpg)