「新人研修で名刺を集めています。協力お願いします」と路上で声を掛けられ、名刺を渡した後に投資やマンション購入などをしつこく勧誘されるトラブルが全国で相次いでいる。 「新入社員を助けてやろう」という善意を逆手にとった手口で、国民生活センターは、「名刺は社名や電話番号など個人情報が詰まっているので、渡すのは慎重に」と注意を呼びかけている。 「東京から来ているんですが、新人研修で名刺を100枚集めないといけないんです」 4月、福岡市博多区のJR博多駅で、サラリーマンの男性(26)は、不動産投資会社の新人社員と名乗る、真新しいスーツを着た若い男から声を掛けられ、名刺を渡した。すると数日後、携帯に電話があり、執拗(しつよう)にマンションなど不動産関係の投資話を持ちかけられた。男性は断ったが、「自分が入社したばかりの頃を思い出し、『少しでも助けになれば』と思った。何度断っても電話をかけてきた」と憤慨す