8月11 ナノチューブの「成長因子」 カテゴリ:炭素材料 カーボンナノチューブ(CNT)が画期的な材料であることは、本館などでも何度か触れている通りです。ただしその応用がもうひとつ進まないのは、「形状の揃ったCNTが作りにくい」という点が、大きな障害となっているためです。 CNTは直径やねじれ具合が異なったものが無数に存在し、形状によって半導体になったり良導体になったり、性質が大きく違ってきます。これまでの方法では、いろいろな形状のCNTが混じったものしか得られず、ほしいものだけを作る方法は知られていませんでした。 さまざまなCNT 昨年、CNTの形状制御に大きく近づいたのは名古屋大学の伊丹らのグループです(記事)。彼らは、ベンゼン環がパラ位で環につながった「シクロパラフェニレン」(CPP)を有機合成の技術で作り、これをテンプレートにしてCNTを成長させる方法を編み出しました。しかしこれも