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  • オリンピック分子集合体登場! : 有機化学美術館・分館

    7月26 オリンピック分子集合体登場! 新型コロナウイルスの流行は、なかなか出口が見えてきません。来ならば東京オリンピック開幕で盛り上がっていた時期のはずですが、こればかりはやむを得ません。 さてオリンピックのシンボルマークといえば、5色の環が絡み合った形であるのはみなさんご存知でしょう。このようにリングがつながりあった形の分子も知られており、「カテナン」と名付けられています。ラテン語で「鎖」を意味する「catena」から来ている言葉です。 実際の鎖を作るのもなかなか手のかかることですが、分子で鎖を作るのははるかに難事です。何しろ、実際に手で環をつなげるわけにいきませんので、当初はリングが2つ連結したものさえ合成は大変でした。 五輪マークのように5つの環がつながった分子が創り出されたのは1994年のことで、「オリンピアダン」と命名されています。分子同士の引き合う力を巧妙にコントロールした

    オリンピック分子集合体登場! : 有機化学美術館・分館
    bean_hero
    bean_hero 2020/07/27
    勝手に絡み合うカテナンなので勝手ナンと呼んであげたい
  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

    「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2020/05/30
    「C0」が合成されたとか虚構新聞が書きそうだな
  • ペプチドカップリング試薬のアレルギーについて : 有機化学美術館・分館

    1月6 ペプチドカップリング試薬のアレルギーについて 2020年となりました。みなさま年もよろしくお願いいたします。 今回は、先日気になる記事を見つけたのでご紹介を。ペプチドのアミド結合カップリングには、様々な試薬が使われます。カップリング試薬として最も古典的なのはN, N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と呼ばれるもので、この試薬をカルボン酸及びアミンと混合するだけで脱水縮合を起こしてアミドが得られます。 DCCの構造 ただしこのDCCは、発がん性が強い、塊状の固体となって取り扱いにくい、反応後にできる副生成物が不溶性で除去しにくいなど、さまざまな欠点があります。さらに厄介なことに、強いアレルギー誘発作用があり、皮膚のかぶれなどを引き起こすことも知られています。その作用は強烈で、同じフロアでDCCが使われているだけで、それを感知できてしまう人がいると聞いたことがあります。 こ

    ペプチドカップリング試薬のアレルギーについて : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2020/01/07
    非常にレアケースっぽいが報告ありと
  • 新たなサルフラワー : 有機化学美術館・分館

    3月13 新たなサルフラワー 筆者は根がマニアであるので、たとえば2種類の元素だけでどういう化合物が作られているか調べたりするのが好きです。で、以前に東京化成さんのサイトの「化学よもやま話」にて、このへんを書いたことがあります。硫黄と炭素から成る化合物は結構な数があり、とりあえず思いつく一硫化炭素、二硫化炭素、亜硫化炭素(S=C=C=C=S)の他、いくつかの環状化合物が作られています。 環状の硫化炭素類の例 そして2006年には、「サルフラワー」と名づけられた新顔の硫化炭素(C16S8)が登場しました(論文)。チオフェンが8つ環を作ったような構造で、名称は「sulfur」(硫黄)+「flower」(花)から来ています。 サルフラワー 合成はどうやっているかというと、環状のチオフェン4量体に塩基を作用させ、生じたアニオンに硫黄を付加させます。これを真空下熱分解させてサルフラワーとしています。

    新たなサルフラワー : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2017/03/14
    LDAや水素化ナトリウムの代わりに水素化カリウムを使うと、中間体はカリフラワーなのだろうかw
  • セスキ、セスタ、その次は? : 有機化学美術館・分館

    9月20 セスキ、セスタ、その次は? 長いこと化学の世界で生きていますと、専門用語には敏感になります。町中の、思わぬところで化学用語を見かけると、ぱっと目がそちらに行ってしまいます。先日は、「バフンウニ」を「ハフニウム」と見間違え、ああ職業病だなと感じた次第です。 昨日は100円ショップで、「セスキ」と書かれた袋に思わず目を奪われてしまいました。こんなやつです。 「セスキ」(sesqui-)とはラテン語に由来する接頭語で、「1.5」を意味します。たとえば複葉機(biplane)のうち、下の翼が半分くらいのサイズのもの、つまり1枚半の翼を持った飛行機を「sesquiplane」と呼んだりするそうです。 セスキプレーン 化学の世界でもちょくちょくこの言葉が使われます。「sesquioxide」は、ある元素と酸素が2:3の割合で結びついた化合物を指し、酸化アルミニウムAl2O3などがその例に当た

    セスキ、セスタ、その次は? : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2016/09/22
    って事は、みこすり半もラテン語で学術用語のように言えちゃったりするのだろうかw 「3.5という意味の接頭語もちゃんとあるようで、セスクァルテルペン(sesquarterpene)というのだそうです」
  • 一人でサイエンス : 有機化学美術館・分館

    4月29 一人でサイエンス カテゴリ:有機化学医薬 Nature誌やScience誌などで、有機合成関係の論文を見かける機会が増えてきました。90年代ごろには、両誌に有機分野の論文が載ることはきわめてまれで、Nicolaouのタキソール全合成(Nature 367, 630 (1993).)や、村井らの触媒的C-H結合活性化反応(Nature 366, 529 (1993).)など、文字通り歴史的な論文がたまに掲載される程度でした。筆者など、ちょっと生物学分野に偏り過ぎなんじゃないの、と思っていたものです。 しかし最近では、毎週のように――はちょっと言い過ぎかもしれませんが、かなりたくさん有機分野の論文が掲載されるようになりました。その分、なんでこれがNature、Scienceなんだろかと思うようなこともありますが、まあ筆者の見る目がないのでしょう。 こうした超一流誌に掲載される論文は、

    一人でサイエンス : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2016/04/30
    在野で10年かけて天然物の単離精製って凄いな。自分の足に水虫を程よく飼い続けて活性確認しながらなのかな。溶剤くさい怪しい物置きがあるとかで警察沙汰にならなかったのだろうか。スーパーザイヤ人と呼びたいw
  • あの試薬の意外な使いみち : 有機化学美術館・分館

    3月17 あの試薬の意外な使いみち カテゴリ:雑記 有機化学の実験室にはさまざまな試薬があり、それらの特徴をよく知って使い分けることが必要になります。しかしそうした試薬には、実験室外でも意外な使い方をされているものがあります。 たとえば塩化チオニルは、塩素化剤として最も広く利用される試薬です。アルコールのOH基を塩素に置換して塩化アルキルに、またカルボン酸を酸塩化物へ変換する能力を持ちます。副生成物は塩化水素と二酸化硫黄だけであるため、単に反応液を留去するだけでほぼ純粋な生成物が得られるので、この反応の際に真っ先に検討する試薬といえます。 この塩化チオニルは、電池の陽極として用いることで、高電圧の電池となることが知られています。陰極として金属リチウムを用いるため、塩化チオニルリチウム電池と呼ばれます。 塩化チオニルリチウム電池(Wikipediaより) 塩化チオニルリチウム電池は、長期間に

    あの試薬の意外な使いみち : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2016/03/18
    塩化チオニルリチウム電池って強烈すぎる組み合わせ。事故で電池ごとクラッシュしたら大変そう。
  • サーキュレン : 有機化学美術館・分館

    2月25 サーキュレン 有機化学では数限りない分子を取り扱いますが、中でもベンゼン環は基というべき存在であり、これがあることでこのジャンルはぐっと奥深さを増しているといえます。このベンゼン環をつないだだけの分子も、すいぶんたくさん作り出されています。 ベンゼン環の六角形が辺同士でつながり、全体として環になった分子を「サーキュレン」と称します。多角形を、ベンゼン環がぐるりと取り囲んだ分子と表現することもできるでしょう。サイズを表現するときには、ベンゼン環の数を先頭につけて、[n]サーキュレンという書き方をします。 20世紀中に合成されたサーキュレンは、n=5,6,7,12の4種類です。ベンゼン環5つのものはコランニュレン、6つのものはコロネン、12個のものはケクレンという名がついています。これらは、何度かサイトでも取り上げています。 この後しばらく、サーキュレン類の新顔は登場していなかっ

    サーキュレン : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2016/02/27
    [4]サーキュレン凄い / 半角の大括弧だとタグになっちゃうんだな
  • 新元素名は何になるか : 有機化学美術館・分館

    2月12 新元素名は何になるか カテゴリ:雑記元素科学 昨年末、日の科学界に待望のニュースが飛び込みました。森田浩介博士(現・九州大)率いる理研チームが合成・報告した113番元素がIUPACの認定を受け、命名権が同グループに与えられたっというものです。日はもちろんアジアでも初の快挙であり、科学史上に残るできごとと言ってよいでしょう。 実はこの時発表されたのは113番だけではなく、115・117・118番元素にも同時に命名権が与えられています。115番と117番は、JINR(ロシアのドゥブナ合同原子核研究所と、米国ローレンス・リバモア研究所、オークリッジ国立研究所の共同研究チーム)が、118番は同じくロシアのドゥブナ合同原子核研究所と、米国ローレンス・リバモア研究所の連合チームに命名権が授与されています(こちら)。 さてそうなると、これら新元素の名前は何になるのか。この件に関し、Natu

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    bean_hero 2016/02/13
    妖怪の名前いいなw
  • 実は行く反応、行かない反応 : 有機化学美術館・分館

    12月29 実は行く反応、行かない反応 カテゴリ:有機化学 有機合成の世界では、論文を見て反応を行なってみても、書いてある通りの収率・選択性が出ないことはさほど珍しくありません。論文を書いている方は、何度も同じ反応を繰り返し行なって慣れているからということもあるのでしょうが、やっぱり何度追試してもうまく行かず、悔しい思いをすることも多々あります。 というわけで、あの国の論文は信用するなとか、あの研究室から出てくる数字は怪しい、などという評判は誰しも聞いたことがあるでしょう。口の悪い人など「○○(教授の名)係数は0.7くらいだ」なんてことを言ったりもします。○○先生の論文に収率80%と書いてあったら、そこに0.7をかけて実際には5割ちょっとくらいと思っておけば間違いない、という意味だそうです。 とはいえ、こうした再現性の低い論文が表立って取り沙汰されることはほとんどありません。たいていは「う

    実は行く反応、行かない反応 : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2015/12/30
    自分で作った中間体のロット差で次工程の反応が全く行かなくなった経験ならある。次工程が脱水反応なのに微妙に含水していた方が良かったというオチで、割と分かりにくかった。
  • 血のにおいの化合物 : 有機化学美術館・分館

    11月15 血のにおいの化合物 カテゴリ:有機化学雑記 またずいぶんと更新の間が空いてしまいました。先月の「世界史を変えた薬」に続き、今月は「国道者」、さらに来年1月にも新刊を控えていて、なかなかてんやわんやな状態です。 というわけで、今回は身近なところからひとネタ。口の中を切ったり、鼻血が出たりした時、我々は「血のにおい」を感じ取ります。金属的なにおいであるので、「金気臭い」などと表現されたりすることもあります。これはいったい何のにおいなのでしょうか? 血液は鉄イオンを含んでいますので、そのにおいかと思ってしまいますが、実際には鉄が直接臭っているわけではないそうです。血中のヘモグロビンが、皮脂などの脂肪酸と反応し、分解してできる成分の臭気であることがわかっています。たとえば下に示す1-オクテン-3-オン、トランス-4,5-エポキシ-(E)-2-デセナールなどが主成分です。 (上)1-オク

    血のにおいの化合物 : 有機化学美術館・分館
  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

    赤はなぜ色褪せるのか
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    bean_hero 2015/09/08
    印刷物も赤の退色が目立つ。EMIのCDの背とか。
  • アルギン酸で「つまめる水」を作る : 有機化学美術館・分館

    8月2 アルギン酸で「つまめる水」を作る カテゴリ:雑記 ”夏休みの自由研究に!手でつまめる水「Ooho」を作ろう!”という記事を見かけました。下の動画にある通り、ただの水がまるでゼリーかスライムのように、手で持ってつまみ上げられる状態になるというものです。 作り方は上記リンク先に詳しく載っています通り、アルギン酸ナトリウムの水溶液と、塩化カルシウムまたは乳酸カルシウムの水溶液を別個作っておき、前者の溶液を後者の中に落とすだけで、簡単に作れるそうです。確かにこれは楽しそうですね。どちらも品添加物などとして使われるほど安全なものですし、アマゾンなどでも手頃な価格で入手可能(アルギン酸ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム)ですので、確かに夏休みの自由研究によさそうです。 創案者は、単におもちゃとしてではなく、ペットボトルなどを必要としない、新しい水の運搬手段としてこれを提案しているよう

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    bean_hero 2015/08/02
    これを子どもたちに見せたら、雪合戦ならぬ水合戦が始まりそうな予感
  • 究極の分子敷き詰め : 有機化学美術館・分館

    6月18 究極の分子敷き詰め カテゴリ:構造芳香族 近年、半導体や発光特性など、さまざまな機能を持った有機分子が多数報告されるようになりました。より優れた性質を引き出すための分子設計も研究が進んでおり、さまざまな骨格の機能性分子が登場しています。 しかし、化合物の性能を決めるのは、何も分子の構造だけではありません。たとえば有機半導体などは、平面の基盤の上に薄膜を作って用いられることがほとんどです。この薄膜の出来が悪いと、化合物は持っているポテンシャルを発揮できません。ランダムにあちこちを向いて並んでいるのではなく、分子どうしが引きつけ合ってきちんと平面に並んでいれば、多くの面で有利になります。 タイル張りの床のように、どこまでも一定のパターンで分子が並んでいくのが理想ですが、なかなかこうは行きません。薄膜は、ひとつの分子の周りに次の分子が並び、次々に成長してでき上がります。しかし、薄膜は1

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    bean_hero 2015/06/18
    これはいろいろ応用が利きそう
  • エキゾチック・フラーレン : 有機化学美術館・分館

    4月21 エキゾチック・フラーレン カテゴリ:元素科学炭素材料 今年2015年は、フラーレンことC60の発見から30年、大量合成法の発見から25年目に当たります。発見直後のようなフィーバーはおさまったものの、今も数多くの関連論文が発表されており、物質科学全体に与えた影響は甚大です。 フラーレン フラーレン研究にもいろいろの方向がありますが、そのひとつに「炭素以外の元素でフラーレンはできるか」というものがあります。これは90年代からいろいろ理論計算が行われていて、たとえば金原子が32個集まったものが安定に存在しうるといった話がありました。C60のようなサッカーボール型ではなく、三角形から成る60面体形です。 純金?のフラーレンAu32 その他の元素も、フラーレンのような球状のクラスターを作り得るはずです。たとえば、多くの多面体型クラスターを作るホウ素などは、非常に有力な候補と思えます。 ホウ

    エキゾチック・フラーレン : 有機化学美術館・分館
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    bean_hero 2015/04/21
    ケイ素フラーランの表面に結合してるのは、トリクロロシリルじゃないかな? でも簡単に作れるようで、関連研究が捗りそう。/ 追記:修正されてた
  • 天然に存在した意外なもの(2)

    4月4 天然に存在した意外なもの(2) カテゴリ:有機化学 ということで、以前書いたネタの続きです。 ・珍しい官能基 天然にはずいぶんといろいろな化合物があり、まさかこんな構造は存在してないだろうと思えるものが、ちょくちょく見つかります。たとえば昔は、三重結合は天然物にはないなどと書かれたがあったものですが、今や下図のようなトリイン構造を持つものも見つかっています。どこかに突き刺さりそうな構造ですが、魚毒性があるのだそうです。ichthyothereolという名前ですが、どう発音したものなのかよくわかりません。 ichthyothereol 珍しい官能基としては、アジドを含んだ天然物がひとつだけ見つかっているのだそうです。「たゆたえども沈まず」さんでこれを知った時にはたまげました。非常にレアな構造ですが、いったいどのように生合成されているやら、非常に謎です。 アジドを含む唯一の天然物 同

    天然に存在した意外なもの(2)
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    bean_hero 2015/04/06
    亜硝酸塩が天然に存在するので、ジアゾニウムは、存在することが意外というよりは、単離同定されるほど安定なのがいくつもあった、というのが意外か。天然のアゾ染料なんてのもありそうな気がしてきた。
  • 天然に存在した意外なもの(1) : 有機化学美術館・分館

    3月8 天然に存在した意外なもの(1) 化学者はこれまで、ありとあらゆる手法でさまざまな物質を混ぜ合わせ、自然界にはないたくさんの物質を作り出してきました。プラスチックや各種半導体など、我々の生活を支える物質も、天然には存在しなかったものです。 しかしやはり自然とは奥深いもので、人間が人工的に作り出したとばかり思っていたものが、実際には昔から天然にも存在していたというケースは少なからずあります。今までにも、ブログでいくつかそうしたケースを取り上げてきました。中には、人工の医薬品が天然の植物から見つかったと思ったら、実は使いすぎによる汚染のためだった、なんてお話もありました(「たゆたえども沈ます」さんの記事)。 しかし、どう見ても人工物としか思えない、フッ素を含んだ抗がん剤である5-フルオロウラシルの誘導体が、実際に天然から見つかった例もあります(論文)。やはり自然とは計り知れないものです

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    bean_hero 2015/03/08
    超古代文明の証拠などと盛り上がりそうな話ではある
  • まつ毛が伸びる薬・グラッシュビスタ日本上陸 : 有機化学美術館・分館

    11月22 まつ毛が伸びる薬・グラッシュビスタ日上陸 カテゴリ:医薬 「日薬局方解説書」というものをご存知でしょうか。日で用いられるあらゆる薬の詳細を解説したで、その厚さは20センチ以上にも及びます。そのくらい、医薬というものは多くの種類があるわけです。 しかし、このほどその薬局方にもない全く新しいジャンルの薬、「睫毛貧毛症治療薬」というものが登場しました。睫毛貧毛症などと言われると、いったい何の病気かと思ってしまいますが、要するに塗るだけでまつ毛が伸びるという薬です。日での商品名は「グラッシュビスタ」だそうで、なんだか名前まで医薬というよりは化粧品のような響きです。 この薬の化合物名は「ビマトプロスト」で、下のような構造です。その筋の方なら一見してわかる通り、プロスタグランジンの誘導体です。 ビマトプロスト(グラッシュビスタ) プロスタグランジンはいわゆるホルモンの一種で、構造

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    bean_hero 2014/11/22
    点眼薬だと、鼻毛も伸びそうだが、そっちの副作用報告はなかったのかな
  • 覚せい剤を検出する試薬 : 有機化学美術館・分館

    9月8 覚せい剤を検出する試薬 最近、「警察密着24時」みたいなドキュメント番組をよく見かけます。これでよく出てくるのが、覚せい剤などを不法所持している人を捕まえるシーンです。警官が怪しげな薬を見つけ出し、検査キットで調べると試験管内の液体が青く変化し「あ、これ覚せい剤だね」と宣告、所持者がうなだれる――という流れです。 メタンフェタミン(上)、合成麻薬MDMA(下) しかしこの、覚せい剤と反応して青く変わる試薬の正体は何なのでしょうか。ちょっと気になったので調べてみました。「シモン試薬」と呼ばれるものなのだそうです。その中身は以下の通り。 ・炭酸ナトリウム水溶液 ・ニトロプルシッドナトリウム水溶液 ・アセトアルデヒド-エタノール溶液 ニトロプルシッドナトリウムというのは、ペンタシアノニトロシル鉄(Ⅲ)酸ナトリウム(Na2[Fe(CN)5(NO)])二水和物のことだそうです。さてこれらが、

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    bean_hero 2014/09/08
    あくまでも簡易検査だね
  • 「コク味」の分子 : 有機化学美術館・分館

    8月26 「コク味」の分子 カテゴリ:味・におい においや味に関する表現というのは、なかなか他人に伝わりづらいものです。たとえばの話、「コクがある」という表現はよく使われますが、それって何?と聞かれると、わかるように説明するのはとても難しいのではないでしょうか。 ちょっと調べてみると、コクは基五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)に分類されるものではなく、味の深み、濃度感、充実感といった感覚のようです。いくつかの味が絡まりあったり、同じ味でも長い時間感じていると「コクがある」という感覚になるものだそうで、言葉にするには大変ややこしい、書き手泣かせの味覚です。 化学屋としては、じゃあそのコクってのは分子レベルでいうとどういうことなの?と思ってしまいます。と、実は「コク」を与える化合物というものが存在しているのだそうです。へえっ、と思ってしまいますが、そのコク味の担い手がグルタチオンだというの

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    bean_hero 2014/08/26
    日本人は受容体を使った。一方、ドイツ人はベロメーターのみで豆の抽出物から同じようなペプチドを掴まえた。 / 追記: 分析してみたら市販の醤油にも元々含まれてるそうな http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23790853