昨年の「音展」で初めてお目見えし、多くのファンから注目を浴びていた円筒状の木製スピーカー、それが「明日香」である。 日本古来からの伝統技術を応用しつつ開発を行い、ついに完成したスピーカーシリーズを2回に渡って紹介したい。第2回目となる今回は、最新モデルについて、概要と音質を炭山アキラ氏がレポートする。 ●ブランドについて 伝統工芸士の資格を持つ職人がひとつずつ削り出すスピーカー カネキン小椋製盆所は長野県・南木曽に本拠を定める木工ろくろ細工の工房だ。そんな同工房がまさに突然といった風情でオーディオ業界へ飛び込んできたのは2013年、「音展」の展示が始まりだった。 オーロラサウンドやロジフル、タイムドメインといった、わりあい知られたメーカーとの共同ブースに展示されていたスピーカー「明日香」が目に飛び込んできた時の衝撃は忘れない。円筒と球で構成された、まるで海に放てば泳ぎ出しそうな曲面美だ。そ