子どもが見つめる視線の先には、小さな白黒テレビ。「小型化は日本の得意分野。品質志向の買い手は、いまや日本製品に一目置くようになりつつある」という説明とともに、1970年3月号に掲載された。 同年に大阪で開催された日本万国博覧会では、「タイム・カプセルで5000年後の人類に現時点の文化を残そう」と呼びかけた松下館の企画が話題を呼んだ。カプセルの中身は、身近な物品や機器、生活文化を記録した風俗絵巻など2098点。写真のテレビと同サイズの1.5型ブラウン管を使用した“世界最小”の超小型テレビ(時価11万円)も、当時の最新技術の水準を示す機器として収められた。カプセルは6970年に開封される予定。それまでは大阪城公園の地下に眠っている。 写真=THOMAS J. ABERCROMBIE