安倍元首相の国葬を前に献花する人たち=東京都千代田区で2022年9月27日午前9時49分、猪飼健史撮影 安倍晋三元首相の国葬は27日、国民の賛否が交錯する中で行われた。弔意の強制との批判を恐れた政府は国家行事色を薄めることに腐心したが、「国葬」のあり方は最後まで定まらず、国民の十分な理解を得ることはできなかった。この日、大勢の人たちが一般献花に訪れた一方、各地で抗議のデモが行われ、国葬を支持するはずの保守派からも不満の声が漏れた。 保守派から不満も 「日本の、世界中の多くの人たちが『安倍総理のころ』『安倍総理の時代』などとあなたを懐かしむに違いない」。葬儀委員長として弔辞を読んだ岸田文雄首相は、安倍氏の功績を列挙し、別れを惜しんだ。官房長官として安倍氏に仕えた菅義偉前首相も「あなたを惜しむ若い人たちがこんなにもたくさんいる。報われた思いだ」と述べた。 両氏はいずれも多くの国民が追悼している