引退記者会見で花束を受け取り、笑顔を見せる石川佳純さん。長年、日本の卓球界を支えてきた=東京都千代田区で2023年5月18日午後2時7分、和田大典撮影 そのニュースは衝撃だった。卓球女子でオリンピック3大会連続メダリストの石川佳純さん(30)の突然の引退。世界ランキング11位でありながら、2024年パリ五輪に向けて様変わりした代表選考レースで苦戦が続いていた。枠組みを作ったのは日本卓球協会の宮崎義仁専務理事(64)。引退発表の翌日、宮崎さんに聞いた。代表選考、このままで大丈夫ですか――? 「(石川さんは)パリ五輪が無理、というわけではない立場でしたから。このまま(選考レースを戦って)いくだろうなと思っていたところでした」 突然の決断に多少驚きながらも、その口調は淡々としていた。真意を測りかね、思わずこう問い詰めた。 「パリ五輪の選考方法のあり方が石川さんの引退につながったとは考えられません