今、改めてこの国の著作権がいかに厳しいものであるかを具体的な例を交えつつ振り返ってみようと思う。 まず音楽について考えてみると、この国のレコード会社の権利意識は生易しいものではない。楽曲データを入手する価格は決して安くない。量販店でセール品として売られているようなものはともかく、アルバム単位であればCDを買うか、音楽配信を利用して曲単位で入手するしかない。レコード会社の意向で音楽配信に消極的だったビートルズの楽曲は、つい最近まで「CDを買ってリッピングする」しか正規の入手ルートがなかった。世界には、アルバム単位でDRMフリーの楽曲データを格安に入手する手段(*1)が提供されている国もあるというのにである。 そうして正規に入手した楽曲でさえ、うるさく注文をつけられることがある。音楽に合わせて幼い子供が踊っているビデオを動画サイトにアップしたら不正利用だと訴えられたり、あげくは公衆の場で着メロ