大手のカメラメーカーは、撮影機能が向上したスマートフォンによってコンデジの市場が侵食され続けているとして、スマートフォンとの差別化のために高画質化を目指し、レンズ交換式デジカメ並みの大型の撮像素子を搭載したプレミアムコンパクトというジャンルのコンデジに注力しています。しかし決算報告と同じ日に、ニコンはそのプレミアムコンパクトのDLシリーズ(3機種)の発売中止を発表しました。 DLシリーズは昨年2月に発表され、その直後のCP+(カメラと写真のワールドプレミアショー)で注目を集めました。2016年6月の発売予定でしたが、画像処理用ICの不具合を理由に延期されていました。ニコンは「開発費が増加したこと、および市場の減速に伴う販売想定数量の下落等も考慮し、収益性重視の観点から発売中止を決定した」と説明しました。デジカメ市場の「減速」という苦しい表現は「急速な縮小」が正しいでしょう。それでもニコンは