世の中には、恋愛をテーマにしたものが溢れすぎている。映画に、音楽に、小説に…。 恋愛が世界の中心であり、すべてであるのなら、あたしが今抱えているものは、宇宙の隅っこでの出来事なのだろうか。 つい先日、2月某日 土曜日。2年近く想いを寄せていた男性と会う約束を取り付けた。バレンタインのチョコを渡すためである。イベント会社員とボランティアという関係性の私たちは、映画やお笑いなど共通の趣味が多く、よくライブや演劇を観にふたりきりで出かけることもあった。2歳年上の彼は、とてもお洒落な黒髪長髪ヒゲメガネのスリムなかっこいい人だ。彼を慕う声は多く、事実、モテる。 彼に好意を抱いている女性が、あたし以外にもう一人いる。 同じボランティア、彼の1つ上、あたしの3つ上の可愛らしく(また、それを自覚している。)派手めな人だ。彼女は、彼に好意を抱いてからというもの、あからさまな愛情表現が目立つようになった。なに