■「角の三等分屋」とは 幾何学における「ギリシャの三大難問」はご存じの方も多いと思う。定規とコンパスのみを使って、次のような作図を行えというものである。 与えられた立方体の2倍の体積の立方体を作図せよ。 与えられた任意の角を三等分せよ。 与えられた円と同じ面積の正方形を作図せよ。 なお定規は直線を引くためだけに用いるもので、目盛りを使ったり、三角定規で角を使ったりしてはならないし、コンパスも円や円弧を描くためだけに用い、作図は有限回数の操作で行わなければならないという条件がつく。 問題の意図は誰にもわかりやすいが、では実際に作図するにはどうすればよいのか。この問題は2000年以上にわたって数学者を悩まし続けたが、解析幾何学や微積分学の進歩に伴って、代数的な方法によってすべて「不可能」であることが証明された。 ところがわかりやすい問題であるだけに、「不可能」が証明されてからもなおこの問題に挑