著者の略歴−1936年,神奈川県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京大学教育学部教授,同学部長を経て,現在,東京大学名誉教授。専攻,教育社会学.著書に,『試験の社会史』『日本の高等教育システム』(いずれも東京大学出版会),『教育と近代化』『大学改革のゆくえ』(いずれも玉川大学出版部)ほか多数. 1992年に新潮社から上梓されたが、絶版になっていたらしく、平凡社から再販された幸運な本である。 本書からは色々と教えられるところがあり、良書だと思うので、再販は大歓迎である。 しかし、読んだはずにもかかわらず、内容は完全に忘れ去っている。 すでに新潮社版を持っていながら、また平凡社版を買ってしまったという愚かさである。 「学歴の社会史」という題名であるが、むしろ副題の<教育と日本の近代>のほうが適切だと思うほど、明治期の教育制度を克明にあらっている。 教育を必要としたのは、何よりも武