「なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?」というサブタイトルが強力なフックになっているため、思わず「おもしろそうだなぁ」と手にとってしまったのが『価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?』(リー・コールドウェル著、武田玲子訳、日本実業出版社)。 消費者の購買心理学と行動経済学の観点から価格設定のポイントを説明しているのですが、堅苦しさを感じさせないのは、「チョコレートティーポットカンパニー」という企業が「チョコレートポット」という新製品ドリンクを売り出すという架空のストーリーを軸に話が進められるから。マギーという女性とのやりとりを通じ、ポジショニング戦略や「買う気にさせる」価格設定の方法について説いているユニークな書籍なのです。 特に興味をひかれた第7章の「アンカリング効果」をご紹介したいと思います。その商品が顧客に理解してもらえない限り、対価を払ってもらえ
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