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学問と書評に関するbeth321のブックマーク (11)

  • 熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 - HONZ

    著者の岩田先生は、不思議なを書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的」という枠を壊すようなパワーを持ったを次々と上梓しているのだ。 例えば、漫画家・石川雅之と組んだ『絵でわかる感染症 with もやしもん』などは、完全に専門的な内容なのに、イラストと文章で誰でも面白く、かつわかりやすく読めてしまうという不思議なだった。医学や看護学を学ぶ学生がコアな読者対象となろうが、版元は医学専門書の出版社から出されたわけではなく、講談社だ。あらゆる人に、徹底的に感染症を理解してもらいたいという、著者の熱い思いが感

    熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 - HONZ
  • 話す力、聞く力よりも大切な「問いかける力」――書評『問いかける技術』 | 戦略|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

    ハーバード・ビジネス・レビュー編集部がおすすめの経営書を紹介する連載。第2回は、組織心理学の第一人者であるエドガー・H・シャイン氏の『問いかける技術』を取り上げる。 話す力、聞く力よりも大切なもの コミュニケーションにおいて、話す力や聞く力はしばしば重視されている。一方で、発言を控えて、「問いかける力」を高めようとする人は、少ないのではないだろうか。実は人間関係を築くのも、問題を解決するのも、物事を前進させるのも、すべては適切な質問があってこそ上手くいくという。 今回紹介する『問いかける技術』はマサチューセッツ工科大学(MIT)の名誉教授であるエドガー・H・シャイン氏が、社会心理学と組織心理学の分野での50年にわたる研究を凝縮した1冊である。彼は、前著『人を助けるとはどういうことか』において、協力関係の原理・原則について記した。今回はその研究課程で発見した、「問いかける」ことが組織や人間関

    話す力、聞く力よりも大切な「問いかける力」――書評『問いかける技術』 | 戦略|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
  • 『月をマーケティングする』PDCAを回し続ければ、人類は火星に行けるのか。 - HONZ

    人類がまだ火星に行っていないのは、 科学の敗北ではなくマーケティングの失敗なのだ。 ここ数週間、書のオビに書かれていた言葉が頭から離れない。だが、こう言われて気を悪くするマーケティング関係者などいないだろう。叱咤されているようでもあり、持ち上げられているようでもあり… 1969年7月20日午後10時56分20秒。その時代に生きていた人なら誰もが、その時どこで映像を見ていたのか、克明に憶えているとも言われるアポロ計画。イーグル号が月面着陸して人類の足跡が月面に刻まれる様子は、世界中の人によってテレビやラジオで見守られた。 書はこの科学的偉業を、史上最大にして最も重要なマーケティング・PR活動として紹介した一冊である。科学や技術が事足りていたとしても、世の中にそれが受容され、自分事化されなければ、後世に語り継がれるどころか、事を成し遂げることすら難しい。科学の裏側で見落とされがちな社会史的

    『月をマーケティングする』PDCAを回し続ければ、人類は火星に行けるのか。 - HONZ
  • 『重力とは何か』が名著である理由 - RyoAnna

    世の中には名著と言われるが沢山あるが、誰かに勧められて読んでもピンとこないことがある。小説だったらオチが面白くなかったり、ビジネス書だったら中身がスカスカだったりと理由は様々だが、学術書の場合は難解さが理由の一つだ。 難解だと感じる原因は自分の能力不足によることもあるが、論理が飛躍していたり、具体例が悪いこともある。そんな中、当に名著だと言えるに出会った。タイトルは『重力とは何か』。凄いのは、誰が読んでも重力が分かるように書かれているところだ。 重力の発生源はまだ特定されていない。重力波によって伝わると予想されているが、実際に観測されたわけではない。岐阜県の神岡鉱山に建設されている大型低音重力波望遠鏡で実証できるとよいが、現時点では机上の理論だ。 では、書で何が分かるのか。それは重力が自然界に及ぼす影響と、重力理論の発展の歴史だ。ニュートン力学から始まり、アインシュタイン理論、量子

    『重力とは何か』が名著である理由 - RyoAnna
  • 書評論文の書き方

    論文とはなにか ■論文とは何か 「論文」とは何でしょう。たとえばレポートとはどう違うのか。 おそらく皆さんは、これまで受けてきた大学の授業で次のように言われたことはなかったでしょうか。 「小学校から高校までは与えられたものを消化すること(覚えること)が勉強だったが、大学での勉強というのは「自分の頭で考える」ことだ」、とか、「問題意識を持つことが重要だ」とか。 でも、「自分の頭で考える」にはどうすればいいのか、あるいは「問題意識」なるものはどうやったら持てるようになるのか、いやそもそも「問題意識」って何? でもまあ、言わせてもらえば、「自分の頭で考える」ための、また「問題意識を持つ」ためのその具体的な道筋を示すことなしに「問題意識を持て」などと繰り返すのは、まあ、単なるお説教にとどまっているわけで。 一言でいれば、「自分の頭で考える方法」、あるいは「問題意識を持つ方法」とは、「問いを立てるこ

  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) なぜ日本は女性ホームレスが「少ない」か。あるいは、「自立」・「自律」再考 -丸山里美『女性ホームレスとして生きる』について-

    丸山里美『女性ホームレスとして生きる』を読んだ。 珍しい女性ホームレスを扱った書だが、その実態を論ずるだけではなく、女性ホームレスの存在を通して所謂「主体性」への批判的吟味にまで達している。 そもそもなぜ、日は女性ホームレスが「少ない」のか。 例えば、他の先進国の場合、DVなどを理由にシェルターに逃げ込んだ人も、統計的にホームレスに当てはまり、そのため女性ホームレスにカテゴライズされる人が多いのに対して、日の場合は統計に入らないため、数が少なく算出される。 また、日の雇用制度の帰結として、男性の場合、労働者として福祉の網から外されやすいのに対して、福祉制度の保護(生活保護)を比較的受けやすい女性は、その分ホームレスになりにくいかった。 こうした理由から、女性がホームレスとして(統計的にも実質的にも)表れにくい、という日の事情が、書では説明されている。 (日の雇用形態の場合、女

  • 宿題を終わらせる『論理哲学論考』

    ようやく読めた。岩波青で適わなかった宿題が、やっとできた。新訳はとても読みやすく、かつ、驚くだろうが理に適ったことに、横組みなのだ。 そもそもこれは、どういうなのか、なぜこれが20世紀最大の哲学書なのか、そして、ずっとたどり着けなかったラストが、なぜ「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」で終わっているのかが、わかった。わたしが難しく考えすぎていたんだ。 これは、数学なんだ。 哲学的なことについて書かれてきたことの大部分は、意味がないという。なぜなら、「哲学的なことについて書かれてきたこと」は、言語を使っているから。プラトン以来、西洋哲学の歴史は、言語の論理を理解していないことによるナンセンスな言説の積み重ねなんだと。なぜなら、「言語の論理を日常生活から直接引き出すことは、人間にはできない(No.4.002)」から。 このあたりの説明は、書の冒頭にある野家啓一「高校生のための『論

    宿題を終わらせる『論理哲学論考』
  • 【140の戦略?】『説得とヤル気の科学 ―最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム』スーザン・ワインチェンク : マインドマップ的読書感想文

    説得とヤル気の科学 ―最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム 【の概要】◆今日ご紹介するのは、心理学博士であるスーザン・ワインチェンク女史によるコミュニケーション。 タイトルにもあるように、相手を説得し、ヤル気を出させるテクニックを、豊富な事例とともに解説してくれています。 アマゾンの内容紹介から、一部引用。人間はいつも人に何かしてほしいと思いながら過ごしています。商品を買ってほしい、大量に発注してほしい、もっと働いてほしい…これは仕事に限らず家庭生活においても同じです。もっと勉強してほしい、自発的に行動してほしい、家事を手伝ってほしい…書では心理学の最新の研究結果を示しながら、人を説得しヤル気を引き出すメカニズムを科学的に解き明かします。 動かしたい相手がいるなら、必読デス! 【ポイント】■1.動詞ではなく名詞を使って集団への帰属意識をかき立てる 教授は選挙での投票

    【140の戦略?】『説得とヤル気の科学 ―最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム』スーザン・ワインチェンク : マインドマップ的読書感想文
  • おいしい書評の書き方 - チェコ好きの日記

    私はよくこのブログで、書評のような感想文のような、得体の知れないものを書いています。*1 そんな中で先日、内田樹の『村上春樹にご用心』を読んでいる途中で、書評に関して「おお、これだ!」と思う表現に出会いました。孫引きになりますが、ちょっと引用してみます。村上春樹の文章です。 筋をずらずらと書いてしまう書評って困ったものですね。とくに結末まで書いてしまうというのは問題があります。(……)一般論で言って、書評というのは人々の欲をそそるものであるべきだと、僕は思うんです。たとえそれが否定的なものであったとしても、「ここまでひどく言われるのならどんなものだかちょっと読んでみよう」くらい思わせるものであってほしい。それが書評家の芸ではないでしょうか。 『少年カフカ』p,232*2 書評のゴールはどこにある? 私自身たいした書評が書けるわけではないので、「書評の書き方とは!」なんて教えられる身分では

    おいしい書評の書き方 - チェコ好きの日記
  • スティーブン・ピンカー『心の仕組み』はスゴ本

    一言でまとめると、心とは、自然淘汰を経て設計されたニューラル・コンピューターになる。心とは、複数の演算器官からなる系であり、この系統は、狩猟採集によって生きていたわれわれの先祖が、日々の問題を解決しながら進化する過程で、自然淘汰によってつくり出されてきたという。 この枠組みを持って思考と感情の仕組みを、情報と演算活動で説明しようとする。ヒトの心は脳の産物であり、思考は脳の演算処理の一つだというのだ。情報を処理する上で、複数のモジュールがそれぞれ特定の目的をもって設計されており、外界との相互作用を受け持つという。 そして、これだけ精妙なモジュール性が生まれたのは、進化的適応によるという。外界の環境を把握し、どれほど適応できるかが、種にとって生存と繁栄の鍵を握る。物の場所を把握し、天敵を察知し、ライバルを出し抜き、配偶個体と出会うといった問題を効率よく処理できる個体が、結果として生き残り、子

    スティーブン・ピンカー『心の仕組み』はスゴ本
  • ヒース『資本主義が嫌いな人のための経済学』:不勉強な左派と図に乗った右派の両方をくさし、経済学の価値を認めるべきところでは認めろと主張するえらい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    主義が嫌いな人のための経済学 作者: ジョセフ・ヒース,栗原百代出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2012/02/09メディア: 単行購入: 20人 クリック: 834回この商品を含むブログ (15件) を見る 2008年金融危機に始まる世界不況、さらには震災後には特に、「資主義はもう終わり」みたいな物言いを無数に見かけてきた。これは特に左派に多いし、その人たちは資主義の理論的根拠(と思っている)経済学も破綻したと言いたがる。 でもそのほとんどは、実は経済学の主張をろくに知らず、自分の主張も考え抜いていない。そしてその無知と怠慢につけこんで、現状維持の保守派が乱暴な議論をしても反論できず、おかげで万年負け犬の地位に甘んじている。 それじゃダメだ。資主義のダメな現状を改善したいなら、左派もちゃんと勉強しようぜ、というのが書だ。 というわけで書は、筋金入り左派哲学者

    ヒース『資本主義が嫌いな人のための経済学』:不勉強な左派と図に乗った右派の両方をくさし、経済学の価値を認めるべきところでは認めろと主張するえらい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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