グローバルヘルスを国家成長・国家安全保障戦略の中心に 保健医療は、各国の歴史や社会経済状態、法制度に密接に関わる極めてローカルなものである。しかし、あらゆるセクターがグローバル化する中で、保健医療もそれと無関係ではいられなくなっている。つまり、パンデミック・インフルエンザ等の病気だけではなく、医師も患者も国境を超えて移動する時代になった。 保健医療のグローバル化は世界の潮流だ。 Koplanら[*1]によると、「グローバルヘルス」とは、医療に国境がなくなったグローバル化の一つの形態で、従来のように先進国が発展途上国を援助するのではなく、両者に共通する地球規模の保健医療の課題を、さまざまなセクターが一緒に解決していく分野だ。 それは、極めて学際的で、イノベーションを重視し、社会医学に限らず、基礎研究、臨床医学、そして、薬や機器の供給も含まれる。パンデミックなどの感染症、生活習慣病の蔓延、高齢
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