Posted by Editor : 2006-12-15 8:40 技術書翻訳者の養成を目指す「コンピュータ技術書翻訳ラボ」。待望の第2回目が2007年1月より開講されます。翻訳の専門学校として実績のあるフェロー・アカデミーが、スペシャルプログラムとして開講するもので、オライリー・ジャパンはこれに協賛しています。講師は『Mind Hacks』や『Head First Java』などを手がけた夏目大氏です。 技術書の翻訳出版社として、技術書翻訳者を目指す人を育てる講座に協賛できることをとてもうれしく思っています。この講座が、技術書翻訳の奥深い世界に進む人材を生み出してくれることを期待しています。 講座の概要とお申し込みは下記リンクをご覧ください。 コンピュータ技術書翻訳ラボ(フェロー・アカデミー スペシャルプログラム)
シンプルでセンス溢れる軽快な装丁、帯には江國香織と穂村弘の推薦文、著者は、僕らの世代だと、ハワイやサーフィンのイメージがすぐに浮かぶ、作家・翻訳家の片岡義男と、クッツェーの翻訳や『嵐が丘』の新訳で知られる鴻巣友季子。そしてタイトルの「蒟蒻問答」を思わせる遊び心ーー。 本を手に取れば、どうしても「洗練」「洒脱」といった言葉が思い浮かんでしまう。ところが、いざページを開くとまったく印象が変わる。ひんやりと澄んだ空気感のなかで、真剣を交えるような言葉のやりとりが続く、実に読みごたえのある一冊なのだ。 本書の「仕組み」は、次のようなものだ。 ・まず著名な、すでに翻訳されている著名な小説を、「課題小説」として片岡、鴻巣両氏が選び出す。 ・訳す範囲の原文だけが編集部から二人に渡される(つまり全体を通して原文を読むことはできない)。 ・締切日が提示され、その日までに双方が翻訳原稿を提出したのち、対談が行
橘玲の『「読まなくてもいい本」の読書案内』を読んだので、感想とメモをまとめておく。 この本、タイトルは『「読まなくてもいい本」の読書案内』だが、実際には「読まなくていい本」はほとんど紹介されていない。紹介されているのは、当たり前の話かもしれないが読むべき本だ。他の読書案内本と異なっているのは、”こういう本は読まなくて良い”と、ばっさり切り捨てているところ。読むべきか・読まなくてもよいかの基準は、20世紀後半に爆発的に進歩した科学研究の成果に置いている。著者は、この時期に起きた科学研究の大幅な進歩を”知のビッグバン”、”知のパラダイム転換”と呼び、これ以前に書かれた本は(とりあえず)読む必要がないと言い切る。古いパラダイムで書かれた本は捨てて、新しいパラダイムで書かれた本を読もうという話だ。ちょっと乱暴な分け方ではあるが、1980年代に大学生だった私には案外納得できるものだった。学生時代に最
近代日本語がどのようにできたか。これがよくわからない。特に近代日本語の書き言葉がどのように成立したのか、少なくとも関心をもってきたはずの私にはよくわからない。研究はされているんだろうが、ざっと見たかぎりでは文人の文体論のようなものが多く、それだと言語現象の説明とは違う。 特に気になっていたのは、「だ」がどこから生じたか、なのだ。これがよくわからないのだ。 という、文末の「だ」である。 常体というやつで、もうひとつ「である」がある。「吾輩は猫である」の「である」である。現代の常体だと「吾輩は猫だ」とも言える。では、「である」と「だ」はどこから生じたいのか。 もちろん、まったくわからないわけではない。辞書を引くとそれなり説明はあるにはある。デジタル大辞泉(参照)は比較的詳しい。 [助動][だろ|だっ・で|だ|(な)|なら|○]《連語「である」の音変化形「であ」がさらに音変化したもの》名詞、準体
(忙しい人のための要約) 引用マトリクスの作り方 1.表の上端に集めた論文名等を横方向にコピペ 2.集めた論文から参考文献リストをまとめて縦方向にコピペ 3.他の文献を参照している箇所を拾い出して表を埋める 4.言及が多い順に被引用文献(行)を並び変える 何も知らない分野について、いや自分の知りたいことが何の分野の事項なのか分からないことについて、基本文献を探したいとしよう。 独学者にとってはかなり不利な(しかしよくある)状況にあっても、英語の文献を探す場合には、検索エンジンやデータベース以前から、紙のツールと標準的な手順が存在する。 (1)専門事典(Special Encyclopedia)の横断検索ツールを引く(どの辞書のどこに載っているかが分かる) レファレンス、この一冊/事典の横断検索ならFirst stop : the master index to subject encycl
このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネットグループ(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※表示価格は、全て税込です。 ※サービス品質維持のため、一時的に対象となる料金へ一定割合の「サービス維持調整費」を加算させていただきます。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 レジストラ「GMO Internet Group, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 2023年5月時点の調査。
C++11の参考書をGitHubで公開したことはすでに発表した。 GitHub: EzoeRyou/cpp-book GitHubからzipでダウンロード GitHub Pagesでの閲覧:C++11の文法と機能 本の虫: C++11参考書の公開:C++11の文法と機能 私はもう時間切れで、三週間後にはインターネット接続はおろか、コンピューターすら失う身だが、日本語のC++参考書の行く末について案じてみたいと思う 日本では、全国どこでも日本語が通じる。日本にいる限り、日本語以外の言語を使う必要がない。法律の書かれている言語から日常生活の言語から教育で使う言語まで、すべて日本語で行われている。 これは、凄いことでもあるが、悲劇でもある。日本人は英語を学ぶ必要性を実感できないのだ。にもかかわらず、プログラミングは、英語を必要とする。 英語は、文法的にはあまりよろしくない言語である。例外的な文法
『「ゴッド」は神か上帝か』という、中国の聖書翻訳をテーマにした本があるのですが、これがなかなか面白い内容でした。読んだのは七年前くらいでしょうか。 同じ著者の『翻訳語成立事情』という本も面白そうだ、と最近書評を見掛けて気付き、合わせて読むことにしました。 「ゴッド」は神か上帝か (岩波現代文庫―学術) 柳父 章 岩波書店 2001-06-15 売り上げランキング : 409933 Amazonで詳しく見る by G-Tools翻訳語成立事情 (岩波新書 黄版 189) 柳父 章 岩波書店 1982-04-20 売り上げランキング : 21450 Amazonで詳しく見る by G-Tools 『ゴッドは〜』で提唱されていた「カセット効果」を、より多くの具体例を挙げて論じているので面白い。 カセットというのは「箱」の意味で、直訳しがたい外国語を「イメージだけの漢字の組み合わせや、近くても微妙
よくブログやTwitter等で、新刊書籍の著者や編集者などから本を送られた方々が「献本いただきました」などといっているのがよく目につきますが、間違いです。 「献ずる」は「神仏や身分の高い人に差し上げる。たてまつる」(三省堂 大辞林より)という意味ですので、もらう側が「献本」という言葉を使うのは、 間違った言葉を使っている 俺は偉いので相手が「献ずる」のは当たり前 のいずれかです。2番のような気持ちを本当に抱いているなら(社会常識的にどうかとは思いますが)間違いではないのでよいのですが、そうでないならば、あらためるほうがよろしいでしょう。 ではどう表現すればいいか。 (ご)本をいただきました 普通はこれで十分でしょう。「献本」などという慣れない言葉を無理に使わず、シンプルに表現すればよいと思います。 (ご)本をちょうだいいたしました などといってもいいでしょう。 他には「恵投」「恵贈」などと
日本に住んでいると、あらゆる物・サービスの品質が高いレベルで保証されていることが自然に期待できる。 そんな日本にいて、唯一*1品質に信頼がおけないものがある。 それが「翻訳」。 高校生ぐらいのころ、英語の本と日本語訳を読むようになって、そのことに気がついた。 最初の経験は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のノベライズ。 バック・トゥ・ザ・フューチャー (新潮文庫)posted with amazlet at 13.03.30ジョージ・ガイプ 新潮社 売り上げランキング: 243,145 Amazon.co.jpで詳細を見る 最初に英語版を読んでから、この日本語版を読んだ。 翻訳は全体として非常に読みやすい。 だが、ところどころ明らかに英語と違い、そのために意味が通らなくなっているところがある。 原文と突き合わせてみると、明らかな誤訳だ。 本というものに対して、ある種の権威を感じていた自分に
yhkondo @yhkondo 「「青空文庫」はアブナイ?」という話題で盛り上がっているようなので、古典語を電子アーカイブにする仕事(研究)をしている日本語研究者の立場から、ちょっと続けて書いてみます。 yhkondo @yhkondo まず、ひとつ。「夏目漱石の原稿にあって、(活字)印刷された東京朝日新聞、単行本にはなくなってしまっているものは何か。この問いに稿者なりに答えてみようとしたのが本書である。」という本があります。今野真二『消された漱石』(笠間書院)です。 yhkondo @yhkondo 今野真二氏には、同様の趣旨をわかりやすく書いた岩波新書の新刊『百年前の日本語』もあるのでお読み下さい。そのまま「写す」ということが至難であり、出版社や研究者にも「難しい」ということがよくわかります。
使い慣れた道具の構造が分かり、より効果的に扱えるようになる。これまでヒューリスティックに馴れていた手段が、一つ一つ狙い撃ちできるようになる。こいつ片手に、そこらのラノベを魔改造したり、漱石や維新を読み直したら、さぞかし楽しかろう。 レトリックというと、言葉をねじる修飾法とか、議論に勝つ説得術といった印象がある。もちろんその通り。アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、ヨーロッパで精錬された修辞学は、言語に説得効果と美的効果を与える技術体系だ。 だが、「技巧や形式に走る」といって、棄ててしまったのが現代なのだと弾劾する。ものには本名があるから、妙に飾らないで、本名で呼ぶのがいい……そんな俗物的な言語写実主義の教訓が、私たちの楽天的すぎた科学主義=合理主義=実用主義と混ぜこぜになって、言語感覚を狂わせたのだという。 できあいの言語をじゅうぶん便利なコミュニケーションの道具と信じ、形
語彙学習を最適化するために、自分のレベルにあった文章を探すにはどうすればいいのだろう? 自分の語彙数は、 「語彙数推定テスト」( NTTコミュニケーション科学基礎研究所) http://www.kecl.ntt.co.jp/icl/lirg/resources/goitokusei/goi-test.html 語彙推定テスト で分かった。 それから語彙を増やすには読書が一番ということ、それも分からない言葉だらけのものより、出てくるほとんどの言葉は分かるが、その中に少しだけ知らない単語が入っているようなものを読むのがもっとも学習効率がよいらしいことも できる子はできない子の4.6倍のボキャブラリーがあるー日本語の語彙の測る/増やす方法 読書猿Classic: between / beyond readers で触れた。 あとは自分のレベルに合ったものを読むだけなのだが、今日はそれに役立つウェ
2008年11月09日05:00 カテゴリ書評/画評/品評Lightweight Languages 今世紀最重要の一冊 - 書評 - 日本語が亡びるとき まずは本書の存在を教えてくれた、梅田望夫に感謝したい。おかげでAmazonが在庫を切らす前に注文することが出来た。 日本語が亡びるとき 水村美苗 弾言かつ断言する。 日本語で何かを成しているものにとって、本書をひも解くことは納税に匹敵する義務である、と。 本書「日本語が亡びるとき」は、今世紀においてこれまで書かれた中で、最重要の一冊(誤読が多かったので、少し表現を具体的にしてみた。確かに元の「今世紀」だけでは今後書かれる本も含まれてしまう)。 ノンフィクションの本を紹介する際、ふだん私はここに目次を入れているのは本blogの読者であればご存知かと思う。しかしこと本書に限っては、それは、入れない。隅から隅まで、頭から順番に最後まで読まれな
普段から、読まずに感想を書くエアレビューはよくないよ!と思っているんだけど、トンデモ本系だと、今までよくある主張の繰り返しだからエアレビューってしたくなるよね! という訳で、この記事は「うーん、読んでも自分のためにならなさそうな本だなあ…」と思っている自分の中での認識整理であって、第三者に納得してもらおうという文章ではないよ!と前置きをしておくよ!(保険保険) 梅田氏は“この本にこめられた、日本語を愛する水村美苗の「心の叫び」が、できるだけ多くの日本人に届くことを切に願う”と記事を締めていたが、これは「日本語」の部分を「日本の近代文学」に変えれば、妙な誤読は受けなかった。著者の水村氏は今の日本文学は幼稚になっている!と言うのだから、すべての日本語で書かれたものを愛している訳ではないんだから。しかし、最近の日本文学を読んでない著者が、日本文学が幼稚になっていると断言するのも、かなりのエスパー
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