豊かな自然に恵まれた日本では、海の幸、山の幸を凝らした世界一の食文化が育まれてきた。寿司、和牛、日本米など、海外で高く評価される料理・食材は多い。しかし、その日本の食卓が危機に瀕している。鮮魚が食べられなくなり、味噌や豆腐が食卓から消える日がやってくるかもしれない。その背後には、アメリカの政治的意図や中国の拡張、そして“内なる敵”の存在がある。 7月1日から牛の生レバー販売が全面禁止となった。その経緯から見えるのは役所を蝕む「事なかれ主義」だ。 きっかけは昨年、焼肉チェーン店でユッケを食べた客5人が腸管出血性大腸炎で亡くなった事件だった。厚労省が生食用牛肉の提供基準の厳格化に動いたところ、調査で食肉処理後の牛の肝臓から腸管出血性大腸菌(O157)が見つかり、ユッケでなくレバ刺しが禁止されてしまった。 大腸菌が胆管を経て肝臓に入り込むため、ユッケのように表面を削いでも菌を取り除けないというの