この物語は、実際にあった出来事を元にしたフィクションです。作中に反社会的な描写があったとしても、実在の人物や組織とは関係ないことをご了承願います。 「コミュ障」という言葉がある 一般的には内気で人見知り、社交が苦手で、特に人から注目を受けたときに動揺して挙動不審になりやすいタイプを指している。 私はまさにこれ。コミュ障を盛大にこじらせたまま大人になってしまった。 思春期には本やマンガを友として成長し、大学卒業を目前にして「私が今後の人生で追求したいジャンルはこれだ!」と思える学問にようやく出会った。両親に相談すると「大学まで行かせてやったのだから更に勉強したいのなら応援はするけれど、学費は自分で調達しなさい」と言われた。もっともな話である。それで就職したのが都内の商社だった。 私はそこで社会人としての基本的なマナーを身につけた。書類作成、電話対応、エクセルの入力。上司に対する話し方、お茶汲