統一協会の下部組織のひとつ勝共連合の雑誌『世界思想』連載の「人間原理の探求」の2004年12月号の記事「インテリジェント・デザインと悪の問題」で渡辺久義先生はデザイン論に対する反対論者が、しばしばその論拠とするものに、自然に内在する悪あるいは不合理の問題がある。悪といっても、明らかに人間が不徳によって自ら招く、あるいは作り出す、戦争とか虐待とかエイズなどは別である。それではなくて、自然そのものに内在すると考えられる多くの悪あるいは不合理があり、そういうものが存在する以上、この世界が知的なものによってデザインされたものとはとうてい考えられない、もしデザインされたとしたら、デザイナーたる神はよほど無能か残酷な神であって、そんなものは神として認めることはできない、という議論であって、これはしばしば無神論へと人々を導いてきたものである。 と「悪の問題」に応えようとした。この導入部は間違いではない。