今回は、研究の評価について考えてみる。 研究の評価に関しては、教育の評価に比べれば、現実的な可能性がある。 教育と違って、人と人との関係ではないので、研究内容や研究実績についてはより客観的な評価ができる。 また、教育とは異なり、自分の探究心を満足させるための行為、つまり利己的な行為なので、評価の結果を報奨に結びつけることに、教育評価の場合のような倫理的違和感はない。 ただし、研究の評価は案外、一致しないものである。私は、4つの組織で教員採用人事に携わった経験があるが、研究の評価基準は組織によって大きく異なっていた。また、同じ組織でも、教員によって考え方が大きく異なり、候補者を絞り込む段階で大きく意見が分かれることは珍しくない。 研究評価の基準としては、論文数や、被引用度がよく使われる。しかし、私の経験では、人事の最終段階で、この2つの基準が使われることはあまりない。批判を恐れずに言えば、ほ