歩行障害のある人たちに動作を補助してくれるロボットスーツHALを装着させて訓練した臨床研究の結果を、筑波大学の江口清准教授らが4日発表した。27人のうち25人の歩行速度が速くなるなどの効果が確認できたという。米医学誌電子版に論文が掲載された。 ロボットスーツHALは、筑波大の山海(さんかい)嘉之教授らが開発した装着型ロボット。人が体を動かそうとする際、体の表面に漏れ出る電気信号をセンサーで検出し、腰や膝の関節の動きを補助する。 歩行障害を抱える人たちがHALを訓練に活用すると治療効果が上がると期待されるが、これまで主要な科学論文誌に成果が発表されたことはなかった。 臨床研究は、脳卒中や脊髄損傷により歩行や起立、着座が十分にできない男女38人を対象に、下半身用の「HAL福祉用」を装着し、20分間歩く訓練を各人2か月間に16回ずつ実施した。訓練終了後、27人に対して10メートルを何歩で歩けるか