拉致を最優先するとした日本と、日本人遺骨や日本人妻の報告をまずできるとした北朝鮮。ここにも溝がある。罪もなく異国にさらわれた日本人を真っ先に返すよう主張するのは当然のことと言える。ただ、日本側は「拉致が最優先」とする主張が、両国間で合意していたかは極めて疑わしい。 筆者が最も気になったのは拉致の疑いが排除できない行方不明者の取り扱いだった。警察庁は可能性が排除できない人は870人余りとしているが、ある警察幹部は「本人を見つけるか、死亡していたという証拠がない限りは可能性ありとなってしまう。(870人あまりの大半が)北朝鮮に拉致されたとはとてもではないが言えない」とその実態を話す。 このリストを北朝鮮に示しているとされるが、再調査開始以降、日本国内で見つかっている人がいて、「このリストは日本の信頼性を失わせ、北朝鮮につけこまれる一因になるかもしれない」(別の警察幹部)。 「圧力」の狙いは北朝