旧満州国(1932~45、現在の中国東北部)で日本の南満州鉄道(満鉄)が運行した「あじあ号」の蒸気機関車が、遼寧省瀋陽市の瀋陽鉄路陳列館で今月初めから一般公開された。「超特急」と呼ばれた満鉄の看板列車は鉄道模型などとして日本でも人気が高く、鉄道ファンを呼び込む観光資源となりそうだ。 展示されているのは、あじあ号の客車を牽引(けんいん)した蒸気機関車「パシナ」751号機と757号機。751号機は明るい青、757号機は緑に塗装されている。 いずれも1934年に製造された全長約26メートルの車体で、直径2メートルの巨大な車輪を備えている。同館によると、パシナは当時、12両製造され、現存するのはこの2両だけという。 あじあ号は最高時速130キロ、平均時速は70~80キロ程度で、当時の日本の技術で最高水準の高速列車だった。速度を出すための流線形の機関車は新幹線の原型とも言われる。 34年に運行が始ま