ANECDOTA 騎馬隊 VS 鉄砲隊 戦争の歴史においてもっとも重大な変革が、「騎馬から鉄砲へ」であることは疑いない。そう言われると、「長篠の戦い」を思い浮かべる人も多いのではなかろうか。「1575年、織田信長が3000丁の鉄砲を三列に並べ連続射撃を行い、無敵の武田騎馬軍団を打ち破った」ことは小中学生も知っている。「ヨーロッパでも行われていなかった画期的戦術」として称賛する人も多い。 もっとも、(源平~戦国の多くの戦と同様に)一般に知られる「長篠の戦い」像には、かなり後世の脚色が加わっているらしい。 まず旧戦術の代表とされる「武田騎馬軍団」だが、実像は映画やドラマとはかなり違うようだ。軍役帳を集計したところ、武田軍の騎馬武者は全体の7.4%とのこと。長篠の戦いでは総勢7000~1万とみられるから、騎馬は500~700程度である。それでもまとまって突撃すればさぞ壮観だろうが、そういう発想