第2次世界大戦中の1942年、オーストラリアの女性看護師の一団が、日本軍兵士たちによって殺害された「バンカ島虐殺事件」。いま、一人の歴史研究者が入手した証拠から、ある事象が浮かび上がりつつある。看護師たちは殺害前、日本兵たちに性的暴行を受け、オーストラリア当局がそれをひた隠しにしてきたというのだ。
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「アウシュビッツ否定論者」がはるか昔から繰り返し現れるように、歴史を揺らそうとする動きは絶えません。 歴史とはなにか、その役割とはなにか。フェイク・ニュースが溢れかえる「ポスト・トゥルース」の時代を生きる私たちは、歴史学と歴史物語をどのように読むべきなのか。修正主義に抗うには、歴史学になにが必要なのか。 集英社新書から『近現代日本史との対話 【幕末・維新―戦前編】』『近現代日本史との対話 【戦中・戦後―現在編】』という、あわせて1000ページを超える著作を刊行した歴史学者、成田龍一教授にうかがいました。 歴史を通して考える、「私たちは何者か?」 最近、日本では「私たちは何者か」を問う、歴史に関する書籍が注目を集めています。2016年にはイスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』(河出書房新社)が大ヒットし、2018年の同著者の『ホモ・デウス』(同)と合わせて100万部以
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