(※本記事は二〇二五年六月に京都市内某所でおこなれた講演を再構成したものです。以下に言及される「来月」といった日付等は六月時点からの言葉であることにご注意ください。) むっしゅ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』(原作・みかみてれん)より。 (話者、壇上に立ち、聴衆にむかって一礼する。) どうも、今年はひどく変則的な気候ですね。 一度は消えたと思えた梅雨前線が、最近になってようやく戻ってきて、列島に雨粒たちを落とし、しとしとと、みどりの枝垂る夕暮れがやってきたようです。 本日この会場に来る途中、近所の公園では向日葵がすでに明るい芥子色に染まった小ぶりの輪っかをぽつりと咲かせているのを見ましたが、そのすぐそばでは、一度は枯れはじめた紫陽花たちもまた淡い色のふくらみを見せており、どうも街の景色は雨にさそわれ、季節のあわいをただよっているようです。 あるい

