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ブックマーク / www.anlyznews.com (3)

  • ピンカーは近代哲学ではなくポストモダニストを含む現代のブランク・スレート信奉者を非難している

    ポモ好きの思想史研究者・仲正昌樹氏が、『ピンカーが(「人間の性を考える」で)哲学における「ブランクスレート」説として念頭に置いているのは、“ポストモダン”ではなく、イギリス経験論に代表される近代哲学全般』と主張していたので検証してみたのだが*2、イギリス経験論自体は肯定もしていないが、批判もほとんどしていない。ピンカーが熱心に批判しているのは、彼らの説を極度に単純化した後の世代の心理学者・社会学者・思想家、特に20世紀以降に新たな科学的知見を政治的に拒絶した人々であって、近代哲学全般を批判していると言うのは勘違いに思える。また、デリダなどポストモダニストへの言及もそれなりの分量、ある。 1. 経験論を極化した人々を批判している イギリス経験論の中では、ジョン・ロックとジョン・スチュワート・ミルをブランク・スレート説の源流として紹介はしているが、ロックの場合は王侯貴族や教会などの権利を保障

    ピンカーは近代哲学ではなくポストモダニストを含む現代のブランク・スレート信奉者を非難している
    bk2321866
    bk2321866 2017/08/18
  • 社会学者が功利主義への誤解を振り撒く

    また社会学者かよと思ったかも知れないが、また社会学者である。現代思想2016年10月号の社会学者の大澤真幸氏が、相模原障害者殺傷事件に関して「この不安をどうしたら取り除くことができるのか」と言うエッセイを載せているのだが、勘違いに基づく功利主義批判が展開されている。つまり、良くある功利主義批判と視点が逆の事を言っているので指摘したい。 功利主義は危険な思想である。功利主義に基づくと、他人に多くの快楽や幸福をもたらす人の生は重んじられ、逆に、他人に苦労を要求せざるを得ない弱者の生は軽いものになってしまうからだ。その弱者には、障害者や老人が含まれる。 生が重んじられる/軽んじられると言うのが分からない表現だが、飢饉で全員は助からないと言う状況などでは無い時の*1、財やサービスなどの割り当ての多寡と解釈しよう。労働能力が高い健常者と、労働能力が低い障害者を考えたときに、功利主義ではどのように財や

    社会学者が功利主義への誤解を振り撒く
    bk2321866
    bk2321866 2016/10/04
  • 現代マクロ経済学の基本モデルを知る

    以前に「イマドキのマクロ経済学には非自発的失業はねぇ!」と言う重鎮の若手への説教があったのだが、「良く勉強してから発言しろ!」では経済学の素養が無い人には事情を理解できないと思うので、解説してみたい。つまり、イマドキのマクロ経済学の基礎、実物的景気循環理論(RBC)における失業だ。コースワークで上級マクロ経済学を履修した人には、常識的な話となる。 1. マクロ経済学史の中心にいるRBC Wikipediaの記述に詳しくあるが、1937年にケインズの一般理論をヒックスがIS-LMモデルで解釈を行った後、新古典派の動学成長モデルがソロー・スワン・モデルから50年代、60年代に発達した。以前にDiamond OLGモデルを紹介したが、同じ年に開発されているRamseyモデルがRBCのベースになっている。 Ramseyモデルはマクロ経済学への貢献だけではなく、オイラー・ラグランジュ方程式やハミルト

    現代マクロ経済学の基本モデルを知る
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