ぼくには人気がない。ぼくは人から好かれない。 それには理由がある。 ぼくは、幼い頃から人に好かれなかったが、ぼく自身は、その状況が嫌だった。だから好かれたいと思っていた。でも好かれなかった。そのまま大人になった。 大人になると、周囲の状況がいろいろ見えるようになった。すると、いくつか分かったことがあった。 まず、人から好かれる――というのは、ぼくにとってそれほど重要な事柄ではなかったこと。それよりも、クリエイティビティを身につけることの方がだいじだった。 そしてクリエイティビティを身につける過程においては、人に好かれることはしばしば弊害になるのだった。 なぜかというと、クリエイティビティというのは、たいてい困難な状況を解決しようとするときに発揮される。だから、恵まれた状況では発生しづらい。 それゆえ、人から好かれている人には、クリエイティビティが育ちにくいということがあるのだ。 それが、ぼ
![ぼくには人気がない|岩崎夏海](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bafad6fac16c6a0a008c219fa074fe7e0e7d53e6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F533839%2Frectangle_large_31b052d05c99140d1775ff3877b076e1.jpg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)