北海道電力の泊原子力発電所3号機を最後に国内の全原発が停止した。 関西電力の大飯原子力発電所は再稼働の可能性があるが、それ以外の原発は停止したままで、西日本を中心に夏場の深刻な電力不足が懸念される。企業や地方自治体は2年目となる節電の夏を乗り切るため自衛策を立て始めているが、企業活動や市民生活への影響は避けられそうにない。 ◆ぶれる電力不足の数値 今夏の電力不足の数値がいまだに固まらないことが企業や市民の不安を助長している。最も深刻な電力不足が予想される関電の岩根茂樹副社長は、4日に開かれた大阪府市統合本部の会議で、「大飯原発が動けば、揚水発電で百数十万キロ・ワット(の供給力の上積みが)見込める」と述べた。大飯原発の再稼働で夜間に水をダムにくみ上げ、昼間に放流して発電する「揚水発電」を新たに勘案したためだ。 関電は、再稼働がなければ8月に16・3%不足すると政府に説明し、再稼働しても「10