店側で調理できないため、別々の皿に載せて提供するユッケ用の牛肉やたれ、卵の黄身など=長野市内の焼き肉店 集団食中毒の発生を機に、昨年10月に生食用牛肉の取り扱い基準が厳格化され、焼き肉店などから姿を消していた「ユッケ」が県内で再び提供され始めた。厚生労働省が、基準を満たした加工業者が卸した肉に限り、そのまま焼き肉店などで提供することができる、との見解を示したため。ただ、店は肉に一切触れることができず、客が自ら別の皿で運ばれてくる卵やたれと混ぜて食べている。 厚労省は昨年10月、生牛肉の加工や調理には、専用の冷蔵庫や調理台、手洗い消毒設備などが必要とする新基準を設定。ほとんどの焼き肉店などがユッケの提供をやめた。ことし3月になって、兵庫県の大手食肉加工・卸会社から、基準をクリアした生肉を飲食店に卸し、店が肉に触れなければ客へ提供できるかとの問い合わせが地元保健所にあり、相談を受けた同省は可