副作用の発生がゼロになることはない。これは医療側からすれば当たり前のことだが、日本ではこれまで、避けることのできない被害に対する無過失補償制度が構築されてこなかったために、一部からの責任追及を恐れて、全体が享受できるはずの利益を損なうということが起こっている。乳幼児に発症して重度の後遺症となりやすい「細菌性髄膜炎」を防ぐためのワクチンの定期接種化が実現しないこともその一例だ。政権が交代し、医療の無過失補償や免責に関する制度は、今後進んでいくのだろうか。(熊田梨恵) 患者家族や医療者などでつくる「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」(田中美紀代表)が27日、国会議員らに対して細菌性髄膜炎に関する勉強会を行った。同日行った長浜博行厚生労働副大臣に対する、2種類のワクチンの定期接種化などを求める要望書の提出と足並みをそろえたもので、一般から集めた約4万7000筆の署名も衆院と参院の両議長へ提出す