社会的包摂をめざした政策実現のために、貧困や自殺問題が注目されるなか、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)にも焦点が当てられつつある。こうしたなか、セクシュアルマイノリティの実態について、疫学研究を行い、自殺・エイズ予防に向けて政府への提言を行っているのが、宝塚大学看護学部准教授の日高庸晴氏だ。 日高氏は、セクシュアルマイノリティの問題が社会的に広く取り上げられるようになったことを評価する一方で、性同一性障害(性自認と身体の生物学的性の不一致)と性的指向(性愛の対象が同性や両性である同性愛、両性愛)が混同して捉えられ、教育や精神医療においてもその扱いに混乱がみられている現状を指摘。それぞれへの理解と対策の必要性を訴えている。データは、「セクシュアルマイノリティが直面している問題」をいかに物語っているのか。編集長・荻上チキが聞く。(構成/宮崎直子) 荻上 日高さんはこれまで、セクシュアルマ