東海道五十三次 「蒲原」 広重図と江漢図は全く同じ図柄、どちらかがモデルでどちらかがコピーであることは確かである。 ところが、現地風景や地形図は江漢図とそっくり。 どちらがモデルか一目瞭然である。 世界的な名作と言われ、郷土の歴史や東海道ロマンのシンボルとして、多くの人に親しまれている広重東海道五十三次に、最近モデル(原画)とされる司馬江漢の東海道五十三次画集が発見された。 55枚のうち50枚が全く同じ図柄であるから、偶然の一致ではなく、どちらかがモデルで他方がコピーである。 司馬江漢(~1818没)は広重五十三次(1833刊行)より前の時代の人物だから、江漢の署名が本物なら、江漢図は広重東海道五十三次の原画ということになり、これまでの広重研究は根底から見直す必要があるという美術界の大事件である。 一見、江漢図は広重図を単純に模写しただけのように見える。発見当初は後年(明治20年頃)、誰か