これほど注目される日本人アートコレクターはバブル期以来、初めてだろう。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイ社長の前沢友作氏(41)は今年5月、ニューヨークのオークションで米国人画家ジャン・ミシェル・バスキアの作品を約1億1050万ドル(約123億円)で落札し、世界のアート界の“時の人”になった。精力的に作品を収集する一方、若手美術家を応援する現代芸術振興財団(CAF・東京)を設立し、出身地の千葉に美術館を開設する計画も進める前沢氏に聞いた。【聞き手・学芸部編集委員・永田晶子】 ◆今回のドクロのようなモチーフが描かれたバスキアの無題作品(1982年制作)は6000万ドルの予想価格を大きく上回り、米国作家の作品の落札額として過去最高を記録しました。経緯を教えてください。 −−まず現地に出向いて事前のプレビュー(下見会)で作品を見せてもらいました。直感的に絶対ほしいと思った。