コチラの靴はハインリッヒディンケラッカーの靴です。オールソールに御持ち込み下さいましたが、特殊な底付けの為に機械縫いでは同じ仕上げが出来ないので、手縫いでの修理となりました。 何故機械で縫えないかと言うと、靴底を縫い付ける出し縫いの一目一目に、革ひもが絡げ合わせて縫ってあるからです。ツォップナートと言われる縫い方で、まるで三つ編みの様な表情から、日本では三つ編み縫いや弁髪縫い等と呼ばれております。そして、この革ひもは仕事が細かく、ただの革の切りっぱなしではなく、アッパーと同じ革を薄く漉き、麻ひもを包んで革ひもにしてあります。 因に私が以前お世話になったイタリアの会社では、「スターニョ製法」と言われておりました。 余談ですが靴を作る工具、工程同様、製法も呼び名はみんなそれぞれ好きな様に呼んでいる様で、日本でも海外でも初対面の職人さんや年配の職人さん、地方の職人さんと話をするとお互い通じない事