ファッションにリアリティを求めるのも以前は良かった。 なぜなら、世界のファッションは一部の人間のためだけの モードをトップにして動いてきたんだし。 そのなかでの反骨精神というか、異議申し立てから もっとリアルで多くの人にファッションを解放するという感じで それこそ新鮮さがあったのだと思う。 それから、クチュールは衰退し、既製服が主流になり、 高級既製服の他にも、もっと安価な方法で服を作れるようになり、 もっと、たくさんの人に、もっと安く買いやすく、 そうやって、安価なファッションはどんどん大きくなっていった。 いま、その安価なファッションがどれだけ精度が良くなろうと、 忠実にトレンドを反映しようと、品質が向上しようと、 なんの刺激も無い。 別にジャケットが500円で売ってたとしても、もうなにも驚くことは無い。 凝りまくったジーンズが3000円であろうと、大騒ぎすることでもない。 なにより、