12« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»02 前回エントリで取り上げた本の第4章が「メガマーケット化する日本のうつ病」となっておりまして、その中でも仏教の影響が指摘されております。 カーマイヤー(引用注:カナダのマギル大で比較文化社会精神医学を専門とするローレンス・カーマイヤー博士)が記しているように、日本には愁いに沈んだ様子(メランコリー)を理想化し尊ぶ文化があり、テレビ番組や映画や流行歌のなかでも、深い悲しみの感情は好ましいものとして描かれてきた。憂鬱や憂いや悲しみは、辛くとも故人の性格を作り上げる要素であるとされ、アメリカ人が病的だとする抑うつ感情は、道徳的意味を持つとともに、自己認識のきっかけとなるものとみなされてきた。この傾向は、束の間の幸福ではなく苦しみこそが人生をかけて背負うべき体験であるとする仏教思