レンブラントの名画などで知られるオランダ・アムステルダム国立美術館が所蔵する約200年前の書物収納用タンスに蒔絵(まきえ)で描かれたフランス革命戦争(1792~1802年)の場面の下絵が、京都市内の旧家で見つかった。蒔絵が施された工芸品は安土桃山時代以降、ヨーロッパで流行し、数多く輸出されたが、下絵が見つかったことはないといい、専門家は「制作過程や当時の貿易状況を知る貴重な資料」と注目している。 下絵は、和紙(縦27センチ、横40センチ)に墨書で鉄砲や剣を手に攻め込む兵士たちや大船団などが描かれており、今年6月に旧家の蔵から見つかった。その後、所有者側からの依頼で長崎歴史文化博物館(長崎市)などが調査。アムステルダム国立美術館が所有する「陸戦図蒔絵螺鈿(らでん)書箪笥(たんす)」の引き出し部分に蒔絵で施された絵と同一であることが判明した。下絵は原寸大とみられる。 下絵の余白部分の記述から、